大学概要

教員の紹介

松田 一徳
MATSUDA Kazunori
基礎教育 / 准教授
基礎教育系

研究者情報

  • 学位

    博士(数理学)

  • 担当授業科目

    数学序論 ,数学序論演習,解析学I ,解析学I演習,解析学II ,

  • 専門分野

    可換環論、組合せ論

  • 所属学会

    日本数学会

研究室の概要

本研究室では数学を研究しています。数学には様々な種類のものがあります。例えば、高校数学は数学I?II?III?A?B(新課程ではこれらに数学IIIが加わります)に分かれていますが、その中には「場合の数と確率」や「微分?積分」など、全く毛色の異なるものがあります。また、大学1年次で「線形代数I」と「解析学I」を学習しますが、前者では行列、後者では微分と、全然違う数学的対象を取り扱っているという印象を抱いた方も多いかと思います。
このように、ひとくちに数学といっても、その内容は非常に多岐にわたります。しかしながら、学習を進めていくと、「一見無関係に思われる2つの数学的対象が交わる」という事象に出会うことがあります。これが数学の大きな魅力だと考えています。
本研究室では、指導教員の専門分野である「可換環論」と「組合せ論」を研究します。これら以外の内容も、ご希望に応じて取り扱うことが可能です。

研究室の研究テーマ

  • 可換環論

    2と3は共に整数ですが、これらの和2+3=5?差2?3=-1?積2×3=6は再び整数となります。2と3に限らず、どんな2つの整数に対してもこの性質は成り立ちます。このように、「集合に属する任意の2つの要素に対し、それらの和?差?積が再び同じ集合に属する」という性質を満たす集合を環といいます。環の中で「積の結果がかける順番に依らない」ものを可換環といいます。可換環を研究対象とするのが可換環論です。

  • 組合せ論

    自然数nに対し、「1からnまでのn個の数を1回ずつ使ってできるn桁の整数は何通りあるか?」という問題を考えます。高校数学Aの「場合の数」で出会うタイプの問題です。「全部漏れなく書き下して、最後に数え上げる」という(理論的には万能な)解法がありますが、nの値が大きい場合は大変です。「数え上げると大変な問題を、解の公式(上記の問題ではn!)を理論的に求めることで解決する」ことが、組合せ論の醍醐味です。

  • 組合せ論的可換環論

    上記で述べた2つの研究テーマである「可換環論」と「組合せ論」を融合させた、発展的内容を取り扱います。「有限グラフ」や「半順序集合」などの組合せ論的対象から構成される可換環の環論的性質と、材料となった組合せ論的対象の組合せ論的性質との間の関係を研究します。まずは論文や文献の読解を通じて先行研究を調べ、その後未解決問題にチャレンジします。研究の進み具合では、論文を執筆することも視野に入れています。