大学概要

教員の紹介

柴田 浩行
SHIBATA Hiroyuki
先端材料物質工学コース / 教授
応用化学系

研究者情報

  • 学位

    博士(理学)

  • 担当授業科目

    先端材料物質工学概論,電気電子材料学,材料物性I,先端材料物質総合工学I,先端材料物質工学,先端材料物質工学実験II,超電導工学,先端材料物質工学演習,文献ゼミナール,地球環境工学入門

  • 専門分野

    超伝導エレクトロニクス

  • 研究テーマ

    超伝導デバイスの開発,超伝導薄膜の成長

  • 研究内容キーワード

    単一光子検出器,超伝導トランジスタ,二ホウ化マグネシウム

  • 所属学会

    電子情報通信学会,応用物理学会

研究室の概要

超伝導は、リニア新幹線、無損失電力送電、核融合、電波天文学、量子暗号通信、量子コンピュータなど先進技術の実現に不可欠な21世紀のキーテクノロジーです。研究室では、光子一粒一粒を測定することが可能な究極の感度を有する単一光子検出器、トランジスタなど、様々な超伝導デバイスを開発しています。スパッタ法による薄膜成長からCADを用いたデバイス設計、フォトリソグラフィーや電子線描画による微細加工、ヘリウム冷凍機を用いた冷却と電気特性評価、光ファイバを用いた光特性評価まで、電気電子デバイスの作製と評価を一人で全て行うことが可能です。また、MBE法を用いた超伝導転移温度の高い2ホウ化マグネシウム薄膜の成長、および、高圧合成装置を用いた新しい超伝導バルク材料の開発にも取り組んでいます。

研究室の研究テーマ

  • 超伝導デバイスの開発

    単一光子検出器は最も高感度な光検出器で、盗聴不可能な次世代通信である量子暗号通信や、宇宙光通信、光量子コンピュータ、ライフサイエンスなどの分野で必要とされています。研究室では、窒化ニオブや窒化モリブデンを用いた光検出器を開発しています。2015年には、作製した極低雑音の光検出器を用いて、当時世界最長となる340kmの量子暗号通信を実現しました。また、検出器の高周波アンプに用いるための超伝導トランジスタ等も開発しています。

  • 超伝導薄膜の成長

    超伝導デバイスに通常利用されているニオブ、窒化ニオブなどは超伝導転移温度(Tc)が低いため、動作温度は4K以下です。動作温度の高いデバイスを実現するには、Tcの高い超伝導材料の薄膜を成長する必要があります。研究室では、MBE法によってTc=39Kの2ホウ化マグネシウム薄膜を成長しています。成長した薄膜を用いて、光子検出器、THz検出用のミキサ、生体分子検出器、などを外部機関と共同で開発しています。

  • 超伝導材料の開発

    超伝導をより身近なものとするためにはTcの高い材料が不可欠です。2020年、遂に室温超伝導(Tc=15℃)が発見されましたが、超高圧下でのみ実現しており、更なる材料開発が必要です。研究室では、高圧下で合成可能な放電プラズマ焼結装置を用いて、新しい超伝導バルク材料の開発に取り組んでいます。